SNCR複合処理システム:次世代工業炉排ガス超低排出ソリューション
SNCR複合処理システムの技術的特徴
SNCR複合処理システムは、非触媒脱硝(SNCR)技術とセラミックフィルター技術を高度に融合した次世代排ガス浄化システムです。当社独自開発のセラミック触媒フィルターを中核とし、従来のバグフィルターや電気集塵機では対応が困難だった高温・高腐食性環境での安定動作を実現しています。
セラミックフィルターの優位性
- ナノレベル孔径制御:0.1〜1μmの精密孔径分布により、PM2.5を含む微粒子を99.9%以上除去
- 高温耐性:最高800℃までの高温環境で安定動作可能
- 化学的安定性:酸・アルカリ・重金属に対する優れた耐食性
- 長寿命設計:5年以上の長期使用によるランニングコスト削減
多様な産業分野への適用事例
ガラス製造業向けSNCR複合処理システム
ガラス溶解炉から排出される高濃度NOx(1,500mg/Nm³以上)に対して、SNCR複合処理システムは80%以上の脱硝効率を安定して達成しています。特に、ガラス原料に含まれるアルカリ成分による触媒毒化の問題を、セラミックフィルターの耐アルカリ性で克服しました。
ごみ焼却施設向け適用技術
ごみ焼却炉では、ダイオキシン類や重金属の同時除去が求められます。当社のSNCR複合処理システムは、活性炭噴射装置との連携により、ダイオキシン類を0.1ng-TEQ/Nm³以下、水銀などの重金属を99%以上除去する性能を実証しています。
セメント産業向け最適化ソリューション
セメントキルンからの排ガスには高濃度のダストとSOxが含まれます。多管束システム設計により、ガス流量の変動に対応した安定処理を実現し、排出基準値(NOx 200mg/Nm³、SOx 50mg/Nm³、ダスト10mg/Nm³)を常時下回る性能を発揮します。
従来技術との比較優位性
技術項目 | 従来SCRシステム | 当社SNCR複合処理システム |
---|---|---|
動作温度範囲 | 300〜400℃ | 200〜800℃ |
触媒寿命 | 2〜3年 | 5年以上 |
多汚染物質同時除去 | 不可(別設備必要) | 可能(一体化設計) |
システム構成と動作原理
SNCR複合処理システムの核心技術は、多機能セラミックフィルターにあります。このフィルターは以下の3層構造を採用しています:
- 表面濾過層:微粒子捕集と表面反応を促進する多孔質セラミック
- 触媒機能層:V2O5-WO3/TiO2系触媒をセラミック基材に固定化
- 支持体層:機械的強度と熱衝撃耐性を確保する高密度セラミック
システム動作時、排ガスはまずSNCRゾーンでアンモニア還元剤と混合され、高温条件下で部分的なNOx除去が行われます。続いてセラミックフィルター層で残存NOxの選択的触媒還元(SCR反応)と微粒子除去が同時進行します。
実績と信頼性の証
中天威尔のSNCR複合処理システムは、国内外で100件以上の実装実績を持ち、特に以下のような厳しい条件下での安定動作実績があります:
- 中国・河北省の鉄鋼プラント:3年間連続運転、メンテナンスフリー
- 日本の化学工場:塩素含有ガス環境下での5年間安定性能維持
- 東南アジアのバイオマス発電所:高アルカリ灰分条件下での長期耐久性実証
今後の技術開発展望
現在開発中の次世代SNCR複合処理システムでは、AIを活用した最適制御アルゴリズムの導入を進めています。リアルタイムの排ガス組成分析と還元剤噴射量の精密制御により、さらに高い除去効率と省エネ性能の両立を目指しています。
また、新規セラミック材料の開発にも注力しており、より低温域での高活性触媒や、再生可能なフィルター材料の研究を進め、ライフサイクルコストの更なる低減を図っています。
SNCR複合処理システムは、単なる排ガス処理装置ではなく、お客様の生産プロセスに最適化された環境ソリューションです。排ガス処理に関するお悩みがございましたら、ぜひ中天威尔の専門技術チームにご相談ください。