高温直接処理 耐熱フィルター：次世代工業炉排ガス浄化技術の革新

高温直接処理耐熱フィルター技術の基本原理

高温直接処理耐熱フィルターは、耐熱性セラミック材料を基盤とした先進的な排ガス浄化システムです。従来のバグフィルターや電気集塵機とは異なり、400〜800℃の高温環境下で直接処理が可能であり、排ガスの再加熱によるエネルギー損失を大幅に削減します。

セラミックフィルターチューブの技術的特徴

当社が独自開発したセラミックフィルターチューブは、ナノレベルの微細孔径構造を有し、以下の優れた特性を備えています：

• 耐熱性能：最高使用温度850℃、急激な温度変化にも耐える熱衝撃抵抗性
• 高効率除去：PM2.5以下の微粒子を99.9%以上除去可能
• 長寿命設計：アルカリ金属、重金属による触媒毒化に強く、5年以上の長期使用が可能
• 低圧損失：特殊な多孔質構造により、従来品比30%低減の圧力損失

多様な産業分野への適用事例

ガラス製造業における応用

ガラス溶解炉から排出される高温排ガスには、高濃度のNOx、SO2、粉塵が含まれます。高温直接処理耐熱フィルターは、これらの多汚染物質を単一システムで効率的に処理します。特に、排ガス中のアルカリ成分による触媒毒化の問題を解決し、長期にわたる安定した超低排出を実現しています。

ごみ焼却施設での実績

ごみ焼却施設では、ダイオキシン類、HCl、HF、重金属など、多様な有害物質の除去が求められます。当社の高温直接処理耐熱フィルターシステムは、セラミック触媒フィルターを採用することで、これらの有害物質を同時除去し、厳しい環境規制に対応しています。

システム構成と運転特性

高温直接処理耐熱フィルターシステムは、複数のセラミックフィルターチューブを束ねたマルチチューブ構造を採用しています。各フィルターチューブは、独自のセラミック触媒層を有し、以下の汚染物質を同時に除去します：

• 窒素酸化物（NOx）：選択的触媒還元（SCR）反応による90%以上の除去効率
• 硫黄酸化物（SOx）：乾式吸収法による効率的な除去
• 粉塵粒子：ナノ孔径フィルターによる99.9%以上の捕集効率
• 酸性ガス：HCl、HFなどの腐食性ガスの効果的除去
• 有害有機物：ダイオキシン類の分解除去

メンテナンス性の向上

従来のバグフィルターに比べ、高温直接処理耐熱フィルターは目詰まりが発生しにくく、圧縮空気によるパルス清浄方式により、連続運転中のメンテナンスが可能です。また、モジュール式設計により、個々のフィルターチューブの交換が容易で、メンテナンスコストを大幅に削減します。

今後の技術開発展望

高温直接処理耐熱フィルター技術は、さらなる高性能化に向けて開発が進められています。現在、以下の分野での技術革新に取り組んでいます：

1. より高温域（900℃以上）での適用可能な新材料の開発
2. AIを活用した最適運転制御システムの構築
3. 再生可能エネルギーとの統合システムの研究
4. CO2回収機能の付加によるカーボンニュートラル対応

高温直接処理耐熱フィルターは、産業分野の環境対策において不可欠な技術として確立されつつあります。当社は、お客様の様々な排ガス処理課題に対し、最適な高温直接処理耐熱フィルターソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。